【無機分析】院試過去問の解答例|東大理学系研究科化学専攻

院試
内部生が使う無機分析まとめ
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2021/8/18更新

理系くん
理系くん

『理化の院試を受けます。内部生が使っている過去問解答やポイントまとめが欲しいです。』

本記事では、理化で毎年出題される「分析手法の説明」問題の解答例を共有します。

理化の院を受験する人は必読です。

また、理化の院試対策で必ず購入しておくべき参考書も紹介します。

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  1. 理化の院試における無機分析
  2. 理化の院試対策に必須の参考書・問題集
    1. 無機分析化学
      1. レイナーキャナム無機化学
      2. 無機化学演習―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ 7)
      3. 無機・分析化学演習―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ)
    2. 有機化学
      1. ジョーンズ有機化学
    3. 物理化学
      1. アトキンス物理化学
      2. 物理化学演習 1―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ)
  3. 分析手法まとめ(顕微鏡)
    1. 光学顕微鏡 H18
    2. 電子顕微鏡 H18
    3. 位相差顕微鏡
    4. 走査型トンネル顕微鏡(STM) H18・20
    5. 原子間力顕微鏡(AFM) H19・22・23
  4. 分析手法まとめ(質量分析)
    1. 質量分析 H18・19
    2. 二次イオン質量分析(SIMS) H21
  5. 分析手法まとめ(スピンを用いた分析法)
    1. 核磁気共鳴分光法(NMR) H15
    2. 電子スピン共鳴分光法(ESR) H23
  6. 分析手法まとめ(吸光)
    1. 紫外可視吸光分析 H18・24
      1. 1連続変化法
      2. 2モル比法
    2. 赤外吸光分析
    3. 原子吸光法 H18
  7. 分析手法まとめ(発光・蛍光・X線)
    1. ICP原子発光分析 H16・22
    2. 蛍光分析 H16・18・23
    3. 蛍光X線分析 H16
    4. 電子プローブマイクロアナライザー H22
  8. 分析手法まとめ(回折を用いた分析法)
    1. X線結晶構造解析 H19・23・
    2. 中性子回折 H22
  9. 分析手法まとめ(放射化学的な分析法)
    1. 放射化分析 H16・18・22
    2. メスバウアー分光法 H21
    3. 同位体希釈法
  10. 分析手法まとめ(滴定)
    1. pH滴定 H22
    2. キレート滴定 H15・16・19・21
    3. 沈殿滴定
    4. 酸化還元滴定
  11. 分析手法まとめ(電気化学的な分析法)
    1. サイクリックボルタンメトリー H22
    2. イオン選択性電極 H16・18・21
    3. グルコース酵素電極 H16
  12. 分析手法まとめ(クロマトグラフィー)
    1. 分配クロマトグラフィー H17・18
    2. イオン交換クロマトグラフィー H16・21・22
  13. 分析手法まとめ(生化学的な手法)
    1. 電気泳動法 H16・18・21
    2. 遠心分離 H18
    3. PCR
    4. イムノアッセイ H16・22

理化の院試における無機分析

東京大学大学院 理学系研究科化学専攻の院試では、毎年必ずと言っていいほど分析手法の説明問題が出題されます。

毎年決まった問題が出題されるということは、解答を暗記しておけば必ず得点できるということです。

そこで、各分析手法について、暗記用の説明文をまとめてみました。

☆覚えていれば得点できるので、内部生も暗記です。

理化の院試対策に必須の参考書・問題集

効率的に院試対策を行うためには、その研究科の授業で使用されている参考書や、教授が推奨する参考書を使うようにしましょう。

ここでは、理化の授業や、内部生が院試対策に用いる参考書・問題集を紹介します。

東大に限らず、東工大や京大の化学系を受験する人にもおすすめの参考書です。

無機分析化学

レイナーキャナム無機化学

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無機化学演習―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ 7)

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東大に限らず化学系の院試対策には必須のシリーズです。

無機・分析化学演習―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ)

理化の無機化学に関しては、上記の3冊で十分です。

東工大など、他の大学院を受験する人のために、無機化学のオススメ参考書を以下の記事に詳しくまとめています。

有機化学

ジョーンズ有機化学

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理化の有機化学に関しては、ジョーンズ有機化学のみで問題ありません。

章末問題が充実しているため、問題集を購入する必要もありません。

これだけでは不安だという人向けに、レベル別に有機化学のオススメ参考書をまとめています。参考にしてみてください。

物理化学

アトキンス物理化学

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物理化学演習 1―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ)

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この問題集を完璧にすれば、院試で解けない問題はありません。

特に、東工大・京大・東大などの難関大学の大学院を受験する人は、上記2つの問題集を必ずやり込むようにしてください

他のオススメ参考書については、以下の記事にてまとめています。

分析手法まとめ(顕微鏡)

光学顕微鏡 H18

光学顕微鏡は、試料に光を照射して、透過光や反射光など、試料が発する光をレンズによ って結像させることで、肉眼で見えなかったものを実像として見えるようにしたものであ る。観察可能な倍率は数百倍から数千倍である。分解能が可視光の波長に依存するという 欠点がある。

電子顕微鏡 H18

電子顕微鏡では、試料に電子線を照射し、そこから透過または反射してきた電子を蛍光板 にあてるなどして観察する。光に対いてレンズを用いるのに対応して、電子に対しては磁 場をかけて電子線を拡大する。電子線の波長は可視光より5桁ほど小さく、分解能のオー ダーは0.1nmである。

位相差顕微鏡

光学顕微鏡では、無色透明なものは染色したり背景を暗くしたりしないと見えない。無色 透明な物体も、場所によってその厚さや屈折率に違いがあり、それぞれの場所の透過光に 位相の違いが生じる。この位相の違いを明暗のある実像に変換した顕微鏡を位相差顕微鏡 という。

走査型トンネル顕微鏡(STM) H18・20

探針と伝導体試料の表面を近づけると、探針の先の原子と試料表面の原子の軌道の重なり によってトンネル電流が流れる。探針を試料表面全体に走査することで、表面の構造や、 表面の電子状態を知ることができる。絶縁体の測定はできない。

原子間力顕微鏡(AFM) H19・22・23

探針を固体試料の表面に近づけると、探針の先と基盤の表面の原子の間にファンデルワー ルス力が働くので、探針と基盤の距離が分かる。探針を試料の表面全体に走査することで、 試料表面の凹凸の様子が分かる。STMでは不可能である絶縁体の測定も可能である。 たとえば、TiO2基板やSiなどの表面に析出したAgナノ粒子の粒径分布の測定に用いられる。

分析手法まとめ(質量分析)

質量分析 H18・19

高電圧をかけた真空中で試料をイオン化すると、静電力によって試料は装置内を飛行する。 これに対して磁場や電場をかけて質量電荷比に応じて分離し、その後それぞれのフラグメ ントイオンを検出することで、質量電荷比を横軸、検出強度を縦軸とするマススペクトル を得ることができる。既知物質の同定や未知物質の構造決定に用いられる。 特に、アルゴンなどの気体に高電圧をかけることによって得られる高温のプラズマ(ICP) をイオン源としたものをICP質量分析という。

二次イオン質量分析(SIMS) H21

試料の表面にビーム上の一次イオンを照射し、それが試料表面と衝突した際に生じる二次 イオンを質量分析計で測定する。得られたマススペクトルからは、質量電荷比とその強度 が分かり、これより各二次イオンの同定および定量ができる。固体表面の組成や化学構造 の分析方法として優れている。

分析手法まとめ(スピンを用いた分析法)

核磁気共鳴分光法(NMR) H15

核スピンがz方向の磁場の中に置かれると、z軸まわりのスピンの向きの違いによってエネルギー準位が分裂する。この分裂した準位の間隔に相当するエネルギーの電磁波を吸収す ると遷移が起こる。これを核磁気共鳴という。核スピンを有する同位体としては1Hや13Cなどが挙げられる。未知試料に一定の振動数の電磁波を与え、外部磁場を掃引してスペクトルを得ることで、核スピンを検出することができる。遮蔽効果による化学シフトや、他の核スピンとの相互作用による吸収線の分裂から、対象としている分子内の核スピンがどのような環境に置かれているかを知ることができる。

合成系の研究室に行く人は、院試に関係無くNMRの理論をしっかりと押さえておくと良いです。

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電子スピン共鳴分光法(ESR) H23

電子スピンが z方向の磁場の中に置かれると、z軸まわりのスピンの向きの違いによってエネルギー準位が分裂する。この分裂した準位の間隔に相当するエネルギーの電磁波を吸収すると遷移が起こる。これを電子スピン共鳴という。これを用いて、未知試料に一定の振動数のマイクロ波を与え、外部磁場を掃引してスペクトルを得ることで、不対電子を検出することができる。

分析手法まとめ(吸光)

紫外可視吸光分析 H18・24

分子内の電子のHOMO-LUMO遷移、価電子の遷移、金属-配位子間電荷移動(MLCT)を対 象とした分光法。化学種に固有なスペクトルが観測されるので定性分析に用いられるほか、Lambert-Beerの法則を用いた試料溶液の濃度の決定などの定量分析にも用いられる。欠点は、分析対象が上記のような電子遷移過程をもつ分子に限られることである。 半導体のバンドギャップの大きさの測定や、酸塩基指示薬の解離定数の決定、金属錯体の組成比の決定などに用いられる。錯体の組成比の決定には以下の2つの方法がある。

1連続変化法

金属イオン濃度[M]と配位子濃度[L]が一定値になるようにして、その割合を変えた一連の溶液を調製する。それぞれの吸光度を測定し、縦軸に吸光度、横軸に[M]/([M]+[L])をとってプロットする。吸光度が極大となる点の横軸の値から組成比を決定する。

2モル比法

金属イオン濃度[M]を一定とし、配位子濃度[L]が異なる一連の溶液を調製する。それぞれ吸光度を測定し、縦軸に吸光度、横軸に[L]/[M]をとってプロットする。[L]の濃度が大きい領域と小さい領域を直線で近似し、それらの交点の横軸の値から組成比を決定する。

赤外吸光分析

試料が赤外領域の波数の光を吸収すると振動励起状態となり、このときの吸光度を測定する。得られたスペクトルの波数から、対象分子に含まれる官能基を特定することができる。 また、スペクトルは分子に固有のものとなるので、分子を特定することができる。特に600~1300cm-1領域はその傾向が強く「指紋領域」と呼ばれる。

原子吸光法 H18

試料を高温にするなどして原子化し、これに元素固有の光を照射して吸光度を測定する。 特定の元素に関して高い選択性を示すので微量元素の検出などに用いられるが、それぞれの元素に対して異なる光源を用意しなければならないことが欠点である。

分析手法まとめ(発光・蛍光・X線)

ICP原子発光分析 H16・22

アルゴンなどの気体に高電圧をかけることによって得られる高温のプラズマ(ICP)を用いて試料中の原子を励起し、基底状態にもどるときに放出される発光を観測する。光の波長から元素を同定し、その強度から定量的な分析を行う。多種類の原子の同時分析が可能な高感度の分析法である。

蛍光分析 H16・18・23

一部の分子は、励起光を吸収して励起状態に遷移したあと、より低い振動準位に無輻射遷 移し、蛍光を発して基底状態へと戻る。希薄溶液では蛍光の強度は濃度に比例するので、 濃度既知の溶液から検量線を作り、これを用いて試料溶液の濃度を決定できる。 例として、8ーキノリノールはそれだけでは蛍光を示さないが、Al3+やZn2+といった金属イオ ンと錯体を形成すると蛍光を示すようになるので、これらのイオンの定量に用いることができる。

蛍光X線分析 H16

一次X線を試料に照射すると、内殻電子が励起されて外部にたたき出され、その空位に外側の電子が遷移する。このとき放出されるX線を特性X線という。特性X線の波長は元素に固有なので、波長を測定することで定性分析が、またその強度から定量分析ができる。 非破壊で迅速な分析が可能で、また多元素を同時に検出することもできる。

電子プローブマイクロアナライザー H22

非常に細い高速の電子線を固体試料の表面に照射すると、発生する蛍光X線の波長から元素の定性分析、およびその強度から定量分析を行うことができる。用いる電子戦が非常に細いことから、試料量が微量な場合や、対象とする領域が微小な場合にも有効である。

分析手法まとめ(回折を用いた分析法)

X線結晶構造解析 H19・23・

結晶にX線を照射すると、格子面での散乱が強めあう向きのみ回折が起こる。回折を示す確度を測定すれば、ブラッグの公式により格子面の間隔を決定することができる。格子面の間隔とその面の面指数から、格子定数を決定することができる。

中性子回折 H22

中性子を固体試料に照射し、その回折パターンから結晶構造を求める。ブラッグの公式を用いると、回折した角度から格子面の間隔を決定できる。中性子の回折は電子ではなく原子核によっておこるので、原子番号の小さい原子による回折も強く観測される。したがって、水素原子の位置や、重金属酸化物の酸素の位置なども決定できる。

分析手法まとめ(放射化学的な分析法)

放射化分析 H16・18・22

固体試料にγ線や中性子線といった放射線を照射して放射性核種を生成させる。生成した放射性核種の半減期や、壊変する際に放出される放射線のエネルギー・強度を測定するこ とで、試料に含まれている元素の同定や定量ができる。 岩石中の微量元素の分析などに用いられる。

メスバウアー分光法 H21

γ線を放出する線源と試料の間の相対速度を変化させると、ドップラー効果により試料に対する入射γ線のエネルギーを微小変化させることができる。ドップラー速度を横軸に、γ線の吸収率を縦軸に取ったスペクトルのピークの位置や形状から、磁性成分の有無やd電子の数を知ることができる。岩石試料に含まれるFeの分析などに用いられる。

同位体希釈法

放射能を持たない未知試料x[g]を含む試料溶液に、比放射能S1の標準物質を一定量a[g]加え、得られた試料の比放射能S2を測定すると、混合の前後で全放射能が等しいことから、S1a=S2(x+a)となり、もとの未知試料の定量ができる。これを同位体希釈法という。比放射能は試料の量によらないから、混合後の操作で試料の一部が失われても定量に問題がないというメリットがある。

分析手法まとめ(滴定)

pH滴定 H22

酸性の試料溶液に塩基性の溶液を滴下し、滴下量から試料溶液の濃度を決定する方法であ る。終点の判定にはpH指示薬を用いて色の変化を確認したり、pHメーターで直接pHを測ったりする。濃度未知の溶液の濃度の決定や、金属錯体の生成定数の決定などに用いる。

キレート滴定 H15・16・19・21

一つの金属に対して複数の位置で配位する多座配位子は、単座配位子よりも安定度定数が大きく、これをキレート効果という。多座配位子であるEDTAなどのキレート試薬を滴下し、 終点における滴下量から溶液中の金属イオンを定量する方法をキレート滴定という。終点は、より弱い安定度定数をもつキレート指示薬を加えておき、その色の変化により確認する。溶液中にppmレベルで含まれるCa2+の定量などにも用いることができる。

沈殿滴定

化学量論的に沈殿が生成する反応を利用した滴定を沈殿滴定という。沈殿が生成し始めた点を終点とするが、蛍光マーカーの沈殿結晶界面への吸着により色調が変化することから終点を決定する方法もある。例として、濃度未知のClを含む溶液にAg +を含む溶液を滴下していけば、当量点からClの濃度を決定することができる。

酸化還元滴定

酸化還元反応を用いた滴定を酸化還元滴定という。遷移金属イオンなどを含む溶液の場合、 終点は溶液の色の変化で判断できるが、そうでない場合はフェロインなどの酸化還元指示薬を用いて判断する。例としては、一次標準シュウ酸ナトリウムを用いた過マンガン酸カリウム溶液の濃度の決定が挙げられる。

分析手法まとめ(電気化学的な分析法)

サイクリックボルタンメトリー H22

酸化還元電位を測定する方法の一つである。目的とする電気化学反応が起こる電極に電位E(t)をかけて、そのとき流れる電流i(t)を測定する。これを一般にボルタンメトリーという。 特にE(t)が三角波状に周期的に繰り返す電位波形の場合をサイクリックボルタンメトリーといい、そのとき得られるE(t)-i(t)曲線をサイクリックボルタモグラムという。酸化波と還元波のピーク電位の平均から酸化還元電位が求められる。

イオン選択性電極 H16・18・21

二相界面を利用した分析法の一つで、特定のイオンに選択的に応答する電極である。固-液海面を用いた固体膜電極や、液-液界面を用いた液膜電極がある。分析対象のイオンがネルンスト応答する場合には、電位差を測定し、ネルンストの式からイオンの活量を求めることができる。妨害イオンの影響を受けやすいという欠点がある。例としては、LaF3を 用いたF選択性電極が挙げられる。

グルコース酵素電極 H16

グルコース酸化酵素を含んだ膜を被覆した電極。この電極を用いてグルコース解糖反応の際に生じる電流を測定することで、試料溶液中のグルコースの濃度を決定することができ る。酵素はある基質に特異的に作用するので選択性が高いので、それぞれの基質を定量するための酵素電極が開発されている。

分析手法まとめ(クロマトグラフィー)

分配クロマトグラフィー H17・18

固定相に対して試料の相を接触させながら移動させ、二相界の分配平衡によって試料中の分子やイオンを分離する方法を分配クロマトグラフィーという。二相界面の種類により、 ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーなどの種類がある。分配クロマトグラ フィーの分離の性能を表す指標として理論段数があり、そのクロマトグラフィーで実現されるのと同じだけの分離の程度を達成するためにいくつの抽出過程を要するかを表す。

イオン交換クロマトグラフィー H16・21・22

球状の高分子に、-SO3などの陰イオンや-NR3などの陽イオンをつけたものを固定相としてカラムに詰め、これに数種のイオンを含んだ試料溶液を流すと、固定相とのイオン交換の速度の違いからイオンごとに流出速度が異なり、これらを分離することができる。 ランタノイドイオンの分離などに用いられる。

分析手法まとめ(生化学的な手法)

電気泳動法 H16・18・21

電場をかけた際の試料中の分子・イオンの移動速度の違いを利用した分析法である。対象とする分子・イオンの電荷が大きいほど、また大きさが小さいほど移動速度が大きくなる。 媒質として、ゲルを用いるゲル電気泳動や、キャピラリーを用いるキャピラリー電気泳動 がある。

遠心分離 H18

高速回転により試料に強大な加速度を加えると、密度差がわずかであっても遠心力が各分散質を異なる相に分離するように働く。これを用いて、未知試料を構成する成分を分離する方法を遠心分離という。ろ過や抽出操作では分離することが困難な試料も分離できることがある。

PCR

分析対象のDNAを増幅させる方法の一つである。まず、加熱して標的DNAを1本鎖に分離する。次に、プライマーを1本鎖DNAに結合させたあと、DNAポリメラーゼを用いて相補鎖DNAを合成する。これを繰り返すことで標的DNAが指数関数的に増幅される。

イムノアッセイ H16・22

生体の免疫反応を利用して微量元素の検出・定量を行う分析法をイムノアッセイという。 例としては以下に述べるラジオイムノアッセイがある。濃度未知試料Aを生体に導入し、 これに対応する抗体Bを作る。Aの試料溶液に、放射性同位体でラベリングした濃度既知のA*を加え、さらに抗体Bを加える。このとき生じる沈殿AB+AB*と、ろ液の放射能をそれぞれ測定すると、試料溶液の濃度を決定できる。

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