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2022/3/8更新
『院進したい気持ちはあるんだけど、就活で不利になったりするのかな。。?』
『あと2年、大学で勉強したい。外部進学も視野に院進したいんだけど、周りに文系院進してる人がいないので情報不足。。』
本記事では文系の大学院進学後のリアルについて紹介します。
日本では、文系の院進は未だレアなケースだと思います。それ故に、情報を集めにくく、根拠の無い噂ばかりが目に付く印象です。
実態としては、理系だろうが、文系だろうが、「大学院進学」は将来のキャリアに対してポジティブな場合が多いです。
そんな「文系の大学院進学のリアル」について紹介していきたいと思います。
☆本記事の信頼性
本記事は、東京大学公共政策大学院や人文社会研究科など、文系の大学院で修士課程を取得した友人(12人)の話をもとに執筆しています。
『「文系の院進は就職に不利」などの噂が存在する様ですが、全くそんな事はありません。文系の大学院事情についてもtwitterの方で情報共有していますので是非フォローお願いします。→ゲコ@院試就活』
はじめに:文系大学院生の実態
文系大学院生の実態
事実として、理系に比べて文系の大学院進学率は低い傾向にあります。
それ故に、文系大学院への進学を考えている人は、情報が少ないため、不安を感じる人も少なく無いと思います。
しかし、安心してください。
皆さんが思っている以上に、文系でも大学院に進学している人は多いです。
文系の大学院に進学するパターンは、主に以下になります。
- 普通に内部の院に進学(理系同様、もう少し勉強したいなど)
- 外部の院に進学(キャリアアップや自大では学べない事を勉強したいなど)
- 社会人マスター(学位をとりたいなど)
- 留学
私の大学にも多数の文系大学院生が在籍していました。(友人にも文系院生が多かったです。)
『たくさんの文系大学院生とお話ししてきましたが、文系院生の方が理系院生よりも、バックグラウンドが多様な印象です。学部からの友人もいれば、留学生・社会人もいるような環境を羨ましく思ったこともあります。』
東大の公共政策などは、特に所属学生の背景が多様で、人脈作りという目的だけでも所属する価値があるところだなと思いました。
文系大学院の修了要件に関しては、理系の大学院と大差無い場合が多く、基本的に、
- 2年で30単位以上を取得すること
- 修論の執筆や修論発表会で合格すること
などです。(授業単位を取得するだけの研究科も存在します。)
授業の方法は教授によって様々ですが、一般的にはゼミ形式で授業が進んでいきます。
これは理系も同様ですが、授業の単位はM1(修士1年生)でほとんど取り尽くしてしまいます。
なので、それ以降は、修論に向けた研究+就活をメインに大学院生活を送るイメージになります。
文系の大学院進学に対して思うこと
文系大学院生の就活事情や、文系大学院進学のメリット・デメリットについては後述しますが、
筆者的には、関関同立や、早慶以上の大学であれば、圧倒的にメリットの方が多いと思います。
もちろん、研究科や個人の過ごし方によって、その後のキャリアに良くも悪くも作用しますが、基本的にはポジティブです。
『文系の大学院進学は就職に不利』など文系の大学院進学に対するネガティブな声も存在するようですが、少なくとも東大ではこの様な声を聞いたことすらありません。
筆者は、文学系から、公共政策など、様々な文系大学院出身の友人を持っていますが、みんな戦略コンサルや投資銀行、起業など、華やかなキャリアを歩んでいる人が多いです。
何より、大学院でより専門的な勉強・研究をしてきた人達ですから、話が面白いです。
『僕的には、大学院で専門的な知識や論理的思考力を身につけた方が、就活などは楽なイメージです。』
ほとんどの大学生は、学部だけで他と差別化できるほどの経験・能力を身につけられないのが現実だと思うので、焦って社会人にならずに大学院に進学してもいいと思います。
文系大学院生の就活について
ここでは文系大学院生の就活事情について紹介します。
文系の大学院進学は就職に不利になるのか?
結論、文系の大学院進学で就活が不利になることはありません。
twitterのDMで、「文系院進って就職しにくくなりますか?」といった相談を頻繁に受けます。
また、googleで「文系 大学院 就職」などのキーワードが多く検索されていることから、文系院進した後の就活に対して不安を抱いている人が多いのが現実だと思います。
しかし、就職に関しては安心してもいいかと思います。
大学院2年間の過ごし方次第では、逆に選択肢が広がります。
僕の友人にも「院進して選択肢が広がった」という人が大勢います。
早慶→東大 公共政策に進学した外部生の友人は、学部の時では考えられなかったという投資銀行への内定をもらっていました。
学部で通っていた大学では実現できない様なキャリアも大学院に進学することによって実現可能になるかもしれません。
「さらに専門的な勉強をしたい」「学歴ロンダリングをしたい」など
自分のキャリアにプラスになるのであれば、大学院進学の理由なんて何でもいいと思います。
文系院生の就職先
次に文系院生の主な就職先について紹介します。
参考として、東大 公共政策の修了者進路状況を確認したいと思います。
ほとんどの人は修了後に就職している人が多いと思います。
次に就職先の業種について見ていきたいと思います。
公共政策ということもあり、観光庁が多くなっていますが、
文系全体の傾向としては、投資銀行などの「金融」と戦略コンサルなどの「コンサル」への就職が多いです。
コンサルに関しては、近年、文系だけではなく理系からの就職者も多い業界です。
僕の周りも金融とコンサルが圧倒的に人気でした。
文系院生の就活開始時期
次に文系院生の就職開始時期に関してです。
前提として、就活に早すぎるはありません。
外資系であればM1の夏ごろから、日系であってもM1の夏からインターンに参加するなどが一般的です。
twitterを通じて知り合った後輩も、M1の冬には就職先が決まっていたので、
残りの時間を研究・長期インターンに使っていました。
文系の場合、実験系の理系と比べると時間がある方なので、早期から就活に注力している人が多いです。
M1の時から、戦コンのケース対策を友達同士で行っている光景をキャンパス内の至る所で目にしたものです。
また、最近では、企業との接点を簡単に作ることのできるサービスが増えています。
なるべく早い段階で、これらのサービスに登録して情報を得ておきたいです。
以下、登録しておいて損の無いサービスを紹介しておきます。
dodaキャンパス
大学生は、学年関係無く、登録しておくといいです。
dodaは転職サービスとしても最大手なので、取扱い企業数についてはダントツで多いです。
文系院卒に対して、「どんな企業があるのか?」「どんな選択肢があるのか?」「待遇は?」
とにかく、情報を取りまくってください。
希望すればリクルーターの人と話すことも可能です。(会社情報について相談しまくりましょう)
また、登録しておくと、専攻などので相性のいい企業から連絡が来る場合があるので、その会社を介して業界や他の会社の事などを聞くのもいいです。
dodaキャンパスここまでの説明を聞いても「文系の院進ってキャリアにおいてどうなんだろう。。」という不安が無くならない人は、以下のキャリア相談サービスの面談に顔を出してみる事を強くお勧めします。
ポジウィルキャリア
本サービスは、学生・社会人問わずに最も利用されているキャリア相談サービスです。
dodaなどの就活サービスでは、就活やキャリア形成に必要な「知識」を得ることができる一方、
ポジウィルでは、転職サイトや転職エージェントだけでは解決し切れない、「キャリアの軸や自分の強み」を明確にすることが可能です。
社会人経験豊富な人達と面談することが可能なため、「文系院卒って社会的にどうなの?」など、漠然とした悩み・不安を相談して見てください。
【POSIWILL CAREER】文系から理系の大学院に進学できるか?
自分の努力次第という話ではあるのですが、
文系から理系の大学院への進学は可能です。
- キャリアの選択肢を広げたかった
- 長期インターンで機械学習に触れる機会があり、大学院で学びたくなった
- 市場価値を上げるために、専門知識を身につけたかった
など、理由は様々ですが、私の周りにも理転した人が何人もいました。
最近、大学では「文系」の学部に所属しているが、インターンなどでバリバリのエンジニアとして働いており、大学院は情報系の研究科に進学するといった人が増えています。
理転の場合、院試対策が大変ですが、それをするだけの価値はあると思います。
『最近では「理転」は珍しいものではありません。これからもっと一般的になっていくと思います。』
筆者は現在、IT系の企業で働いていますが、文系出身のデータサイエンティストなど「文系卒の理系」みたいな人がたくさんいます。
経済学部の統計学などは、理系の僕からしても難しい数学ですから、大学以降の「理系」「文系」といった分類はあまり意味が無いものなのかも知れませんね。
文系大学院に進学するメリットとデメリット
ここでは、文系院卒の友人の話をもとに、文系の大学院進学のメリット・デメリットを紹介したいと思います。
文系の大学院に進学するメリット
大学院進学には以下の様なメリットがあります。
- 興味のある学問を追求できる
- 自己研鑽の「時間」が取れる
- 学生ブランドの使用期間を延長できる
- 外部進学などでキャリアアップが可能
- 新たな人脈構築につながる
これは理系・文系で変わらないと思いますが、
大学院に進学する1番のメリットは「自由に使える時間」を得られることです。
社会人になると、時間も金もなくなります。。笑
この2年間という時間を、自己研鑽・人脈構築など、自分のキャリアのために使ってください。
研究活動や学会への参加、大学院外での長期インターンなどを通じて身になる経験を積めば、就活は自然とクリアできると思います。
文系の大学院に進学するデメリット
大学院進学には以下の様なデメリットがあります。
- 社会に出るのが2年遅れる
- 修士論文の執筆時期は教授から必要以上の圧を感じることも
社会に出るのが2年程度遅れることはデメリットというほどの事ではありません。
気を付けなければならないのは、ゼミの雰囲気や教授との相性です。
大学院では、閉鎖系が故に、ゼミの雰囲気や教授との相性が悪いと、鬱になったりメンタルに支障が出ます。
これでは、せっかくの2年間が台無しです。
そうならないためにも、大学院進学の前に、ゼミの教授と話しておくなど、ラボ生活に関する情報は集めておきましょう。
大学院進学か就職かで迷っている人へ
大学院に進学するか、就職するか迷っている人は、どちらの選択肢も取れる様に以下の2点は抑えておきましょう。
『前提として、なるべく早く進路は決めておきましょう。遅くともB3の冬には決めておきたいです。』
就活サイトへの登録は済ませておく
学部のなるべく早い段階で、大手からベンチャーまでを広く扱う就活サイトへの登録は済ませておきましょう。
オススメはdodaです。
doda キャンパス
先述しましたが、今やdodaは就職・転職サイトの最大手です。
オファー型の就活支援サービスのため、登録して放置しておけば業界や企業情報をシェアしてくれます。
なので、院試対策が忙しくても、向こうからコンタクトを取ってきてくれるので便利です。
企業研究に対しても意識を欠かさずに、大学院の情報収集を行いましょう。
5人に1人が登録!ベネッセの成長支援型逆求人就活サービス【dodaキャンパス】院試に必要な分野は意識して勉強しておく
院進が選択肢にある限り、気になる大学院の院試で必要になる科目は常に勉強しておきましょう。
院試はTOEFLなど、直前の対策ではどうにもならない科目が必要だったりします。
就活が上手くいかなかったなどで、直前に「やっぱり院進する」となった場合に困らないよう準備しておきましょう。
文系大学院に進学するために必要な準備
大学院進学の準備として行うべきことは、理系も文系も変わりません。
- 気になる大学院・ゼミをリストアップする
- 気になるゼミの教授や所属学生から情報をもらう
- 本命の研究科、滑り止めの研究科を決定する
- 必要な試験科目を把握する
どんな大学院があるのか、「行きたい大学」や「やりたい研究内容」ベースで探して見ましょう。
気になるゼミが見つかったら、必ずゼミ訪問を行いましょう。
☆ゼミ訪問の挨拶メールの書き方
訪問の際に聞いておくべき内容はこちらの記事にまとめています。
☆ゼミ訪問で質問しておきたいこと
あとは、淡々と院試対策です。
まとめ
文系の大学院進学には、ネガティブな噂も存在します。
しかし、文系の大学院進学は、キャリアの幅を広げたりなどポジティブな要素が多いです。
院進か就職か迷っている人は、いろんな人から話を聞いて、「自分のキャリアにプラスになる選択が何か」もう1度よく考える時間を取ってみるといいと思います。